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「催眠演舞」バナーキャンペーン抽選プレゼントサイン色紙抽選!

好評発売中の「催眠演舞」。

先日まで応募受付を行っていました、バナーキャンペーン参加者様への抽選プレゼントになります、サイン色紙の抽選をこれから行います!

応募の際に記載して頂きました発表可能ペンネームを、後日発表させて頂きます。
それでは発表をお楽しみに!!

「催眠演舞」未公開CGチラ見せ!最終回

いよいよ本日発売となりました「催眠演舞」!
ブログでのイベントCG公開も、いよいよ本日が最終回となりました。
もうお手元にソフトがあり、CGをご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが…
今日の1枚はこちら!

0927.jpg

催眠状態の美乃莉です。
和室でも学園でもないこの部屋はいったい…?
スカートを自らたくし上げるも、その表情に恥じらいは無く…

このCGが使用されるシーンがどんな展開になっているか、是非製品版でご覧ください!

催眠演舞、本日発売です!

 催眠演舞、いよいよ本日発売です!

 発売当日のカウントダウンボイスは、以下からダウンロードしてください。
 全部、同じファイルとなりますので、ダウンロードしやすいところからお願いいたします。

http://p.tl/F5Nl

http://p.tl/S4Qm

http://p.tl/ul-d

http://p.tl/mfZs

http://p.tl/fDqH

 本日より、全国のショップ様ならびに通販サイト様で販売を行って頂いております。
 是非お買い求めをよろしくお願いいたします!!

催眠演舞 カウントダウン前日SS!


「ん……」
「んんっ……」

 唇と唇が重なり、海里美乃莉は喉でうめいた。
 快美感が全身を浸し、舌が触れあうたびに背筋に電流が走る。
 唾液を交換しながら舌を絡め、ねっとり濡れた唇同士を離した時には、制服の下の乳首はじんじん、股間もぬめりを帯びているのがはっきりわかるほどに熱くうずいている。

「はぁん……」
「バイトだろ? 行ってらっしゃい」
「ああん……もう、意地悪……」

 神楽一紗にそう言うが、彼女としてもバイト代は貴重な遊びの費用、おろそかにするわけにはいかない。
 やむなく、放課後の貴重なひとときを使った熱い交わりを切り上げて、美乃莉は下校していった。

「まったく……一紗は、もうちょっと優しくしてくれてもいいのになー」

 夕暮れの廊下を急ぎ足で歩きながら、美乃莉は唇をとがらせた。
 プリンスの称号をほしいままにする美少年、神楽一紗と美乃莉は、目下のところ、恋人同士と言っていい関係にある。
 美乃莉としては、一紗とのつきあいについては、もちろんまったく文句なし。よくぞライバルを蹴落として一紗の彼女の座をつかみとれたと、自分で自分を賞賛している。このままもっと深い関係になって、できることなら将来の話もしたいところ。
 そのためにも、体は早々に許したし、おまんこどころか、どんな場所でのどんなプレイでも受け入れてきたのだが――それでまた美乃莉自身も、尋常ではない気持ち良さをたびたび味わい、前よりさらに一紗に夢中なのだが……。
 だからこその不満、というものがある。

「もっと、積極的にさあ……家に誘ってくれたり、ご家族に紹介とか、お友達でもいいんだけど……」

 神楽一紗は、日本舞踊の天才であり、舞踊一筋に生きてきた純粋培養の御曹司であり――したがって、『彼女』というものの扱いが根本的にわかっていないところがある。
 なので、これまでは美乃莉の方から積極的に話しかけ、具体的に要求しあるいは指示を出して行動させてきたのだが……。

 一紗は確かに、世間を知らない彼氏として、美乃莉の言うとおりにデートでも買い物でもあるいはホテルでさえ、何でもしてくれるしお金も自分から払ってくれるのだけれど。
 そこに、一紗自身の主体的な意志が感じられない。
 美乃莉に言われたからそうしている、という感じしかしない。
 それではいけない。美乃莉が望むのはそういうものではない。
 一紗自身の意志で、美乃莉のために何かしたいと思い、行動してくれるようでないと、これから先がとてつもなく不安なのだ。

「う~~ん……」

 一紗をもっと自分に引きつけなければならない。
 しかしもう、セックスを許しているし、プレゼントとかそういうものでは海里家よりはるかに金持ちである一紗の心を動かすなんてことは無理なのは目に見えているし。
 ではどうするか。
 美乃莉は考え悩みながら、バイトに赴くべく廊下を急いだ。

 と、そこへ。

「えっ…………!?」

 廊下に長く伸びる影のひとつが、すいっと、身をもたげた。
 命あるもののように。
 そしてそれが、美乃莉に向かってきた。

「……猫!?」

 そう見えた。
 美乃莉は立ちすくみ――急激に、その心臓が拍動を強めていった。
『影猫』。女子の口にのぼる、それは噂だった。
 闇から現れ、一人でいる女の子をさらっていってしまうという。
 噂を広めるのに、美乃莉も一役かっていた。
 どうせこわがりの誰かが影を誤認したのだろうと推測しつつも、おおげさに話のネタにし、怖がってみせた。思春期の女子はそういう話が好きなものだ。案の定その噂は口から口へ、すごい勢いで広がって、今ではもう女子で知らぬものはない、学園七不思議とか何とか言われるそのたぐいにまで成長している。
 美乃莉は周囲に話を合わせるために、自分も心から信じているふりはしていた。内心では自分がまいた噂の広がり具合を楽しみ、かつそれを信じて怖がる連中を面白がって。
 でも……これは。
 誤認だったはずだ。根拠のない、噂。
 そうだろう、常識で考えて、校舎内に人をさらうような大型獣が入りこむわけがない。
 だけど、じゃあこれは何だ。自分の目の前にいる、この大きくて暗くて不気味な存在は。

 その『猫』の、瞳が光った。

「あ……」

 美乃莉はそれをまともに見てしまった。
 深い色をしてきらきら光る、宝石そのものとしか思えない瞳。見ているうちにも色がどんどん変わってゆく。サファイアの青からエメラルドの緑へ、トパーズの黄色へ、ルビーの赤からダイヤモンドの純白の輝きへ。
 こいつは何なのとか、逃げなきゃとか、助けを、声をと思う気持ちが、その光の変化を見ているうちに、消えていった。全身がふわっとなり、頭がぼうっとなり、まともにものを考えることができなくなる。美乃莉はこの感覚をよく知っていた。とても気持ちのいいものだった。どこで経験したのか思い出せないが、なぜか神楽一紗の顔が浮かんだ。顔が浮かぶとさらに意識に靄がかかり、美乃莉の表情が弛緩し、その目から意志の光が消えた。

『猫』が、体をくねらせた。
 美乃莉の手が勝手に動き出した。いやそう動いているのはわかっていた。わかっていたが、止めようという気持ちがまったく起こらない。手が動くのは当たり前。その結果も当然のこと。

 スカートが、両脚を滑り落ちた。
 手はさらに動いて、ショーツも脱ぎ下ろした。美乃莉は前かがみになって足を抜くと、元通りの姿勢に戻って立った。
 ニーソックスをはいたままの、裸の下半身。両脚の間に縦の割れ目が丸見えになる。自分がそうなっていることに対して、美乃莉は何も反応しない。これは当然のこと。廊下で服を脱ぎ、おま○こを丸出しにすることに何の不思議もない。美乃莉はむしろ爽快感すらおぼえていた。
 猫が身をひるがえし、美乃莉を促した。
 美乃莉はそのメッセージを理解して、足を動かし始めた。美乃莉の頭の中から、バイトのことも一紗のことも、自分自身すら消えていた。自分はもうこの猫のものなのだった。
 小さくまるいお尻を揺らしつつ、うつろな目をした美乃莉は無表情に廊下を歩いていって、夕影の中に消えた。
 後には、輪になっているスカートと、脱ぎ捨てられたショーツだけが残された。





 翌日、駅前の喫茶店『アプリコッコ』店内の、従業員用バックスペースに、甲高い声が響き渡った。

「っごめんっっっなさぁぁぁぁぁいっっっ!!!」

 可能な限り最大級のお詫びのポーズを、美乃莉はとった。
 土下座まではいかないまでも、頭が両膝につくほど深々としたお詫びのお辞儀。全身全霊で許しを乞う姿勢だ。

「まったく」

 シフトリーダーの科野しずくに見下ろされ、美乃莉は今一度頭を下げた。

「バイトの日を間違えた? あんたどんだけここで働いてんの。それで無断でバックレて、シフトのない今日、のこのこ顔出す? どーゆー神経してんだか」
「すみませんでしたっ! なぜか日付を勘違い! 昨日と今日を逆に思ってました!」
「もういいよ。とりあえず、お詫びは受け取ったからさ」

 しずくはニヤリと、美乃莉の斜め後方に目を向けた。
 アプリコッコの、女子店員の制服を身につけた、神楽一紗がそこにいる。
 本来男子だが、女子と見まがうばかり、いや下手な女子など遠く及ばない、異装ゆえの妖しい魅力にあふれていた。本人もその気で、女形(おやま)修業で身につけた『しな』を目元に宿し、たたずんでいる姿を見ているだけでしずくの胸のうちがざわついてくる。
 バイトをサボってしまった美乃莉が泣きついて、連れてきて、着替えさせたのである。

「ごめんね、一紗、こんなことさせて」
「いいんだよ。楽しいよ、これ。こういうの、したことないからさ」

 一紗は笑顔で言って、スカートの裾を軽くつまみあげた。
 のぞく脚もまた、なまじな女子よりつややかで、白い。
 一紗が働き始めると、たちまち店内に異様な空気が立ちこめた。
 彼の妖しい魅力にとらわれた女性たちがテーブルから立とうとしなくなり、店内は満員になり、席についている客が友人に携帯で連絡して、さらに客が増えてゆく。
 大混雑の中を、一紗は優雅に、美乃莉は必死に動き回って、店員としての仕事を果たしていった。





「終わった~~~!」
「ふう、さすがに疲れたね」

 すっかり夜になった街路を、二人で帰る。

「すごいよ一紗、やっぱり、きれいで格好よくて色っぽくて、最高!」
「ありがとう」
 一紗は自然に美乃莉の腰に手を回した。
「あん……」
「でも、こんなの初めてだね。どうしちゃったの?」
「それが、自分でもよくわかんないんだよね。昨日、帰るとこまではおぼえてるんだけど、その後…………」

 美乃莉の瞳が、不意に焦点を失いさまよった。
 その心の中に異様な変化が起きていた。

 美乃莉は『思い出した』。
 自分が、影猫に遭遇し、操られたことを。
 違う、自分こそが影猫で、美乃莉に化けているのだということを!

 化けている、つまり本人ではないのだから、どんなことでもできる。
 何も知らずに隣を歩く、この美しい獲物を食らうことも、一切のためらいなく!

「……ねえ、一紗」

 音程の下がった、粘っこい声で美乃莉は言った。

「帰る前に、ちょっと……休んでいかない?」
「え……いいの?」
「うちなら、大丈夫だから……」

 美乃莉、この人間のメスの母親なら、問題ない。うるさいようなら、化けたりせずに食ってしまえばいいのだから。

 美乃莉は返事を待たずに一紗の手を握り、指をからめてつかむと、引っ張って――ホテルへ入っていった。
 その瞳が、周囲の明かりを反射してきらりと光った。

 ホテルに入るなり、美乃莉の全身が甘くとろけるようになった。
 男を誘うフェロモンが濃厚に分泌され、目つきも口元も、すべてが淫猥に変わる。

「さあ……見て……」

 美乃莉は、先ほどの一紗に負けぬ優美な動作で服を脱ぎ、下着姿を一紗の前にさらした。
 一紗が見入り、喉を鳴らす。
 自分に誘惑されていることに、美乃莉はぞくぞく身震いした。

「おいで、坊や……」

 かすれた声で招く。化猫の身からすれば、一紗などほんの若僧だ。人よりはるかに長く生きて身につけた知恵と妖美さをつくして、美乃莉は一紗を誘惑した。
 この誘いに抗えるオスなどいようはずはなかった。
 美乃莉はさらに、目に力をこめた。女子を操り支配する力は、男にだって当然通用する。
 美乃莉の目を見た一紗が、うつろな顔つきになる。これでもう、この美少年は自分のものだ。自分を抱くことしか頭になくなる、肉欲の権化と変わる。その陽根を自分の陰部に誘いこみ、精気を徹底的に吸い上げて、この美しい命を食らうのだ。それを思うだけで下着の内側が熱く濡れた。

「早く…………ね?」

 美乃莉は、下着を一紗の手で脱がせた。かしずかれるのも喜びだ。
 そして、開いた両脚の間に、一紗が入ってくる。
 これからこのうつろな顔が、快感に歪む。ありえない快感を味わい、喜びから忘我の顔つきになり、それを超えて体力の限界を迎える苦痛に引きつり、そしてそれすらも超えて全てをなくした恍惚の世界へと入っていくのだ。そのプロセスを想像すると美乃莉の女陰はさらに淫らによだれを垂らした。

 一紗のモノが入り口にあてがわれた。亀頭を張り詰めさせた、いい形の男根だ。こんなに硬く勃起した状態を見るのはこれで最後。抜け出る時には、精のすべてを吸い尽くされ、もう二度と出すことができない状態になっているはずだ。

「ごくっ……早く……来なさい……挿れるのじゃ、これを、はよう、はよ……」
 不慣れなのかペニスはなかなか侵入して来ず、美乃莉は化け猫本来の古風な口調を出してしまっていた。

「ん…………」
 美乃莉の焦れに恐れをなしたように、ようやく、ペニスが入ってきた。
 幸せを美乃莉は感じた。これから、愉悦の時が――。

「ふああああああああっ!?」

 その口から、悲鳴が噴き出た。
 強烈な快感が、美乃莉を襲っていた。

 おかしい、これはおかしい、こんなはずは!
 人外の快感を味わい、たちどころに達し、気をやり、達し続けて意識を漂白され、魂を溶かし、すべて吸い尽くされるのは、一紗の方のはず。
 なのに自分が感じている、尋常ではなく、強く、甘く、甘すぎるほどに甘く、致命的な快感を。

「おああああ! ああああ! あひゃああああ!」

 ペニスが動き出す。そのたびに絶叫が漏れ出る。甘美すぎて、叫ばずにはいられない。擦られて悦ばずにはいられない。

「あひぃ! ひぃ! はひぃ! ひぁぁぁ!」

 股間から汁が噴き出る。激しく痙攣する。衝撃的な快楽が何度も何度も背筋から脳天へと突き抜ける。
 こんなはずは。自分は人より優れた存在。人を食らう立場。なのになぜ。こんなのはありえない。そう思えば思うほど、反動も強くなる。確固たる自分が崩壊して、何もなくなる、一生で一度しか味わえない破滅的な快感が襲う。
 美乃莉は泣き叫び、身悶え、よがり狂った。

「うあああ! あ゛あ゛あ゛! あ゛ー! あ゛ー!」

 しまいには、赤ん坊か、あるいは猫のような声しか出なくなった。
 その中をさらに一紗が動き、擦り、突きまくって……。

「う、うっ!」
「ひゃはあああああああああああああああ!」

 一紗の脈動を感じた瞬間、美乃莉の意識は完全に吹っ飛んだ。
 自分が猫か人間かもわからなくなり、あらゆる穴から汁を垂れ流すだけの、ぐしょ濡れの肉塊と化す。

「いぐ! いぐ! いぎ! ぎひゃあ!」

 その中を、脈打つペニスが、とどめとばかりに刺激してくる。

「ぎゃはああっ!」

 唾を飛ばし舌を突き出し、美乃莉は最大の絶頂をおぼえた。
 そのまま、まったく何も考えられない、完全に精神を漂白された状態に入りこんでいった……。





「……これから10分経つと、だんだん、君は元の人間に戻ってくるよ……もう猫はいなくなって、本来の君に戻る……」

 全ての穴を開ききった状態で失神した美乃莉の中から、一紗はペニスを抜き出した。
 それにかぶせてあったコンドームを取り外す。
 相当量の精液が、中には満ちていた。

「よかったよ、美乃莉。たまにはこういうのもいいだろう?」

 目は開いているものの何も見えていないし、よだれや鼻水までも垂れ流している、ひどい顔の頬を、一紗は愛おしげになでる。

「君は僕の、素敵な彼女だよ。これからもこうやって、沢山遊ぼうね、美乃莉」

カウントダウン2日前SS!

 カウントダウン2日前SSとなります!

 実はこちら、さよりさんの絵を見てからおくとぱすさんが文章を書いていく形式でやっていますが、今、旅の途中で、ネット環境が安定していないとのことです。
 1日前も、届き次第公開いたします。

 ちなみに、送っていただいたお土産の一部画像を!


 育ち過ぎたひよこ。
ひよこ2


 ひよこ、残酷画像
ひよこ3moz


 とてもおいしくいただきました。

 ということで、以下、カウントダウンSS 2日前「炎乃火編」となります。



「炎乃火さん、お願いします」
「ふざけんな! やだったらやだ!」
「だめですか?」

 上目遣いで、神楽一紗がおねだりしてくる。

「そんなツラしてもだめだ! そんなツラしてるから余計にだめだ!」

 穂波炎乃火は眉を精一杯つり上げてすごんだ。
 そうやって自分を鼓舞しないと、一紗のあまりのかわいらしさに、胸がときめき顔が笑み崩れ、この美少年を抱きしめて骨が砕けるまで可愛がってしまいそうになるのだ。
 実際炎乃火はそれで何度も、ペットに嫌われてしまっていた。親が等身大のぬいぐるみを買い与えてくれるようになって、被害に遭う動物はいなくなったが、今度は強烈なハグに縫い目が破れ中身が噴き出す凄惨な状況が何度か繰り返されることになった。我が娘の尋常ではない筋力に気がついた両親がスポーツを勧め、その世界で炎乃火がみるみる頭角を現してゆくことになったのだが――残念ながら親の期待に添うことはできず、ある事情でスポーツの世界と縁を切った炎乃火はこうして、校舎隅のがらんとした部室で、女の子と見まがうばかりの美少年と向かい合っているわけだが――。

「じゃあ、どうすれば、してくれるんですか?」
「何をやってもだめだ!」
「炎乃火さんを、気持ちよくしても?」
「そういう考えが気に入らねえんだよ! エッチに持ちこめば何でも言うこときかせられるって、思い上がったツラしてる! ちょっと上手だからって、偉そうにすんな!」
「あ、上手だって認めてくれてる。嬉しいな」
「う、うるせえ!」

 炎乃火は、その名の通り顔面を燃え上がらせた。

「それとこれとは話が別だ! 大体、その要求のんでも、お前が楽しいだけで、オレに何のメリットもねえじゃねえか!」
「僕を楽しませてくれるの、楽しくないんですか?」
「他のことならいい! でもなんだそれは! 何でオレがそんなこと!」
「いやあ、ほらみんなが噂してたもんで。放課後、暗くなったら現れる影猫ってやつ。それで思いついたんですけどね」
「そんな理由で、お前……」

 炎乃火の血液はもはや沸騰寸前だ。それが弾ける時、線の細い一紗は比喩ではなく文字通り宙を舞うことになるだろう。

「人を裸にして、四つん這いでニャーと鳴かそうってか!」

 しかし相手はしれっとしたままだった。
 むしろ炎乃火の激怒の形相を見て、嬉しそうに目尻をゆるめた。

「くっ……!」

 可愛い。問答無用で可愛いのだ、この神楽一紗というやつは。
 炎乃火は自分の顔面をかきむしりたい衝動にかられる。言うとおりにしてやりたい気分と、反発したい気分とがせめぎあっている。そのこと自体が面白くない。確かに自分はこいつが好きだ。可愛い。いつか歴代のぬいぐるみのように弾けさせてしまうかもしれない予感がこのところ強くなっている。それを本能的に察しているのかこいつも最近後ろから責めてくることが多く――ってそうじゃなく!

「だめなもんはだめだ!」
「どうしても?」
「どうしても!」

 そこでふと、炎乃火はいやな予感にかられる。

「そういやお前、前に何か変なの練習してたな……催眠術、だっけか」
「ええ。おぼえていたんですね」
「人の記憶力を何だと思ってやがる。うちは確かに親が医者で金持ちだけど、ちゃんと試験受かって入学してるんだぞ」
「最初から疑ってませんでしたよ」
「そうか? 何度か、どうしてこの人うちに入学できたんだろ、ってぇツラしてたことあるぞてめえ」
「気のせいじゃないですか。とりあえずリラックスしましょう」
「おっとその手にははまらねえ。催眠術かけて人をネコにしようってか? 誰がそんなことさせるかよ。大体催眠術なんかオレは信じてねーっての」
「そうみたいですね。そういえば炎乃火さん、さっきから僕の手の動き、視界に入れていましたよね?」
「は? そりゃ、向かい合ってんだから、当然だろ」
「ですよね。じゃあ指が鳴ると目が閉じます」
「は?」

 パチッ。
 一紗のしなやかな指が、鋭い音を立てた。
 途端に炎乃火のまぶたは閉じた。まばたきと同じように、意識されることもなく。
 そのまま、心地よい闇の中へ炎乃火は沈みこんでいく。豪奢な髪が揺れ首が傾き、組んでいた腕がだらりとぶら下がる。

「大好きな炎乃火さん。この声は心の深い部分に気持ちよく響きます。次に目を覚ました時、あなたは僕の言うとおりにしたくてたまらなくなります。僕の言うとおりにすると、とっても嬉しい。とっても幸せ。その後に僕が甘えてくると、そのままイッてしまうくらいにすごい幸せを感じることができますよ…………では目を覚まします。いま心に話しかけられたことは何もおぼえていません。指が鳴ると目が開きます」

 再び、スナップ音が鋭く鳴った。

「ん?」

 すぐに炎乃火の目は開き、大きく何度かまばたきしながら無意識のうちに姿勢を戻す。今の中断はまったく意識されていない。
 言葉による暗示ではなく、手や体の動きだけで相手を催眠誘導する、神楽一紗の『ひとき舞』――炎乃火はその術中に深くはまっている。もちろん自分ではまったく自覚なく。

「本当に、お願いします。見てみたいんです。炎乃火さんの可愛いところ」
「お前なあ……」

 拒む炎乃火の声音には、さっきまでの迫力はもうなかった。

「炎乃火さんが可愛いのは知ってますけど、もっと可愛い格好、可愛いポーズ、可愛い声と顔、見てみたい。そうすればもっと炎乃火さんのこと好きになります。お願いします」
「あのなあ……なんだよそれ、人の四つん這いポーズみたいなんて、ヘンタイじゃんかよ……」

 炎乃火は顔を赤らめ、もじもじする。
 さっきまでは同じことを言われても怒りしか湧いてこなかったのに、今は、甘い気持ちがふくらむ。こんなに望んでいるのなら、少しくらい見せてやってもいいんじゃないか。きっと嬉しそうにするだろう。喜んでくれるだろう……こいつが喜んでくれると、オレだって嬉しい……炎乃火の心中の天秤は、どんどん傾いてゆく。

「炎乃火さん」
「あーもう、わかった、わーったから!」

 炎乃火は捨て鉢に言うと、椅子から立ち上がった。

「……そんなに目ぇキラキラさせてんじゃねえよ、恥ずかしいだろうが」

 憎まれ口をききながら、制服に手をかける。
 もう、肉体関係は結んでいる。お互いの体のすべてを見て、見せて、触れあって、知り尽くしている。それでもやはり、恥ずかしいものは恥ずかしく、服をはだける炎乃火の胸は高鳴り、肌がじっとり汗に濡れる。

 上着を脱ぎ、スカートも下ろした。
 背丈は一紗より上で、アンダーはともかく胸囲そのものならこれも一紗に勝り、そして恐らく体重は一紗よりあり、そのくせウェストだけは男の一紗より細いだろう、見事なプロポーションである。

「…………♪」

 一紗が目を輝かせる。くそったれ、何でそんなに嬉しそうなんだ、もう何度も見てるじゃねえかと炎乃火は毒づくが、口に出すほど力強い意志にならなかった。
 そして、靴と靴下も脱いで、床に裸の膝をつく。

「こ……こうか……?」

 両手もついた、四つん這い。
 脚が長いので、尻の位置は高くなり、立っている一紗の位置からだと、尻から腰、背中への素晴らしい曲面が丸見えだ。

「そうです、そして、手をこうして、可愛らしく、『にゃーん♪』」
「ふっ、ふざけんな、なんでそこまで!」
「やってくれないと完成しないじゃないですか。炎乃火さんの可愛いとこ、満喫させてくださいよ」
「馬鹿野郎…………この落とし前、つけてもらうからな、おぼえてろよ……」

 ぶつぶつ言いながらも、炎乃火は言われた通りに片手を、指を丸めて持ち上げ、それっぽいポーズを取った。

「自然な笑顔ができますよ。はい、にゃーん♪」
「にゃ~~~ん♪」

 自分でも信じられないほどに、媚びきった笑みと上ずった可愛い声が出た。その一瞬だけは、なぜか炎乃火は心の底から可愛らしいネコとして振る舞うことができていた。
 一紗の目が輝く。最高の喜びを得た顔。
 それを確認してから、炎乃火は耳まで真っ赤になった。

「くっ、くうっ……!」
「最高です、炎乃火さん」

 一紗がかがみこんで、なだめるようにその肩に手を置いた。

「……本当に……最高です、あなたは……」

 一紗の声音に、ぞっとする気配が混じった。
 彼が欲情したのを、炎乃火は肌で感じ取る。
 炎乃火もまた、鳥肌を立て、股間にぞわっと来る感覚をおぼえた。
 一紗がかがんでいても、やはり炎乃火は、いつも見下ろす相手を見上げるかたちで――。
 見下ろす視線に、強い意志が――強く淫らな意志がこめられている。
 触れられる手からも熱が入りこんでくる。
 される。これから、いやらしいこと、気持ちいいこと、自分がこれまで思っていた自分と違うものにされ、乱れ、泣き叫び、完全に開ききった無防備な状態にされる行為が始まる。

「ま、待て……待てよ……」
「何を待つんですか、ホノカ?」

 一紗のものいいは、もう完全に、彼女を自分の所有物、ペットとみなした上でのものだった。
 それに腹立たしさをおぼえつつ、両脚の間に狂おしいほどの熱が芽生え、はっきりとその部分が彼を求め始めた。

 ――しかし、その時。

「あっ……!」

 押し殺した、強い声が一紗の口から漏れた。
 その手が冷たくなり、視線が炎乃火から離れる。

「どうし――」「シッ」

 聞いたことのない迫力をこめて、一紗は炎乃火を遮る。
 そして、指を立てて黙るように――ではなく、炎乃火の目の前で、手を左右に動かした。
 その動きをいぶかしむ思う間もなく、一紗が強く言ってくる。

「動かないで」
 押し殺した声で、耳に流しこまれた。
「猫です。本物が、出ました」
「な……!?」

 ――影猫。
 クラスメートとまともな交流のない炎乃火でも、ちらっと耳に入れてはいた。夕暮れ時に影の中から現れ、見てしまった者を連れ去ってしまうという巨大な獣。
 それが、この夕暮れの部室に、出現したというのか。
 動くなと言われたので、炎乃火は振り向くこともできない。
 一紗の様子から、並々ならぬ存在だとわかる。恐怖が芽生える。背後、自分の尻の向こうにいる相手の姿を肌で感じる。影から出てくる、闇でできた、巨大な猫。口は耳まで裂け、目は赤く、残忍な光を宿している。炎乃火の体はこわばり、自分が限りなく小さくなる。目の前の相手にすがりつくことしか考えられなくなる。

「ひ……!」
「大丈夫、動かないでいれば――炎乃火さんのおま○こに、入りこんでくるだけですから」
「え……?」
 理解しかねる言葉だが、一紗の言うことなら、その通りなのだった。
「ほら、来た……動かないで! 熱くなる、すごく気持ちよくなるけど、動いちゃいけない……動いたら食われてしまうから!」
「ひっ!」

 恐怖に支配され、炎乃火の全身が硬直し――その股間に、後ろから、異物が侵入してきた。
 まだパンツははいたままなのに、と思ったが、相手は影であり妖怪なのだから不思議はない。それよりもその感覚、途方もない――快感!

「ふああああああっ!?」

 一紗に肩をつかまれたまま、炎乃火は快美の悲鳴をあげた。好きな相手が目の前にいるのに、どうすることもできなかった。彼が入ってくる時よりもさらに熱く大きな快感だった。

「おおお! おああああ! あひゃああああ!」

 相手が人間ではない以上、快感も人間のそれではなかった。一瞬で炎乃火は達して、さらにイキ、イッて、絶え間なくオーガズムが続く状態に陥った。理性は蒸発し快感だけになって、目の焦点を失ったまま、股間をぐしょ濡れにしつつ炎乃火は自分から激しく腰を揺り動かした。

「炎乃火さん、あなたは猫に支配されてしまった! あなたの中に、あなたじゃない猫が入りこんで、あなたを完全に支配した!」

 声が脳裡に響く。意味は理解できない、だがそうなったことだけはわかる。経験したことのない快感の中で、炎乃火は影猫となった。闇にひそみ、女の子を襲う怪物に。

「……にゃぁ」

 低く濁った声で、炎乃火はうめいた。
 体に食いこむ布きれが邪魔だった。獣にこんなものは必要ない。炎乃火、いや『影猫』は自分でそれを引きむしる。乳房があらわになり濡れた股間が丸出しになると、爽快感に自然と背が伸びる。

「な~~~~ご」

 さらに低くうめくと――きらんと、『影猫』の目が光った。
 目の前に、獲物がいる。
 女の子ではない。だが女の子と見まがうような美貌と、細くうまそうな肢体の持ち主。ならば女の子と同じだ。

「よし、うまくいった。変わり種もたまには面白いよね。じゃあいいかい、影猫さん。この廊下を出た先に、可愛い女の子がいるから、あなたは彼女を――え、え!?」

 何か言おうとした、ニヤニヤしている美少年を、『影猫』は容赦なく押し倒した。
 慌てる口を手の平でふさぐ。ああ、美味そうだ。押し倒しただけでよだれが湧きま○こが濡れる。食いつき、舌を捕らえて舐め回した。

「んーーー!」

 もがき、悶える様が実にいい。
 体をまさぐり、服を破き、凌辱の限りを尽くす。口をふさいだまま首筋に吸いつき、肩に噛みつき、素肌に体を重ね、突き出ている余分な突起を自分の中に入れる。途方もなく気持ちいい。

「ああ……!」

 そうだ、好きだ、この生き物、こいつが、大好きだ!
『影猫』は快感と情熱のありったけをこめて『獲物』に絡みついた。

「さ、催眠が解け――ぐぎゃっ!」

 変な声を漏らして、獲物が動かなくなった。
 その体を炎乃火はさらに抱きしめ、愛し続けた。かつて大好きなぬいぐるみをそうしたように。



 ――神楽一紗入院というニュースが、その夜から翌日にかけて、八曜学園を駆け巡った。

「大丈夫か、暗い中一人でいちゃいけねえよ、お前細っこいし弱っちいんだからよ。マジック研の先輩も心配してたぜ。退院したら、これからはずっとオレがついててやるからよ、な?」

 見舞いに来た穂波炎乃火は、涙を浮かべつつ気丈に言葉を重ね、心からの笑みを作ってみせた。
 一紗の表情は、包帯に隠されて見えなかった。


プロフィール

CROSSOVER

Author:CROSSOVER
 18禁ゲーム制作 とりぷる・すれっと/スタッフィングのブログです。
 よろしくお願いいたします。

 http://crossover-game.jp

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